葵(あふひ)の素敵なめぐり逢い

世界文化遺産上賀茂神社で葵を育て文化を伝承する葵の講師「高瀬川薫子」の活動

ピンク線文鉢 1980年頃 磁器

ルーシー・リ−の展覧会に行くのは4回目です、一番好きなアーティストなので本物をみれるのはとてもうれしいことです。

前回は三宅イッセイのコレクションでしたが、今回は安宅コレクションからの出展が多く、初期のものはみたことがないものがありました。

今回強く思ったのは、ピンク釉薬とブロンズ釉薬の特徴と美しさです。
胴部の線は象嵌(ぞうがん)といい、線を彫ったあと、色土を埋め込みはみだしたところを削り線のみに仕上げるという技法。ルーシー・リーの代表的な装飾技法のひとつです。彼女は生土のまま、1度のみの焼成で仕上げます。オートクチュールのボタンを作って生計をたてていたことがこまかな仕事につながっているとおもわれます。

陶器制作は私にとっても冒険であり、新しい創作はすべて新たな始まりです。一般の人たちにとって陶器の形態やデザインはあまり変化のないものですが、陶器を愛する人にとっては尽きることのない感動なのです。モダンか、伝統的かという問いかけ。今生きている芸術は常に現代的であると思うのです。美こそすべて。と感じています。ル-シ-もそうであったことを知りうれしく思いました。